ばーさんの料理本(第2回 / 全8回)

こんにちは、コトリ1号です。

ばーさんがじーさんに作る食卓(4)2008』に登場した料理本65冊を紹介するシリーズ、2回目の今回は、8冊紹介します。

過去記事はこちらからもぞうぞ 第0回(プロローグ) 第1回

 

入江麻木の家庭料理 優しい一皿
野菜たっぷり、おいしさ再発見。素材の持ち味を充分に生かした、家庭ならではのくつろぎの味
』(暮しの設計156号)
優しい一皿
中央公論社 1984年
入江麻木
◎ ミョードの巻きパン、りんごの煮もの

コトリ1号メモ : 入江麻木さんは、昭和50~60年代に活躍された料理研究家で、ご本人は日本人なのですが、ロシアの方(しかも貴族の末裔)と結婚されたこともあって、ロシア料理を中心とした西洋料理やお菓子でお馴染みだったそうです。この本は他の年にも折々に登場しており、cincoさんが長年大事に愛読してきた1冊であることが伺えます。ちなみに、単行本『いつも、ふたりで』(電子書籍では、2005年版)には、この本に載っている「ビーフストロガノフ」を作った記事が掲載されています。
…実は、私はこの本と、同じ著者の『お料理はお好き』(鎌倉書房)をずっと探しているのですが、なかなか入手できずにいまして。同年代の同種の古書と比べてかなり高額であることからも、cincoさん同様、大切な一冊として、大事に長く手元に置かれている方が多いのだろうな…と、思います。何度か拝読したことがありますが、素敵な本です。

 

北京の小麦粉料理
北京の小麦粉料理
グラフ社 1998年
ウー・ウェン
◎ 大根のギョウザ、フェンネルのギョウザ
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コトリ1号メモ : 内容は後年出された『北京小麦粉料理』(高橋書店)と似ているのですが、こちらは粉ものに合わせたおかずも紹介しています。餃子や焼麦(シャオマイ)の具のバリエーションが豊富で楽しくなります。

 

わが家で楽しむ 北京のおかず
北京のおかず
家の光協会 2001年
ウー・ウェン
◎ にんじんとごぼうの揚げ炒め
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コトリ1号メモ : 野菜料理、卵料理、お粥、人気家庭料理(いわゆる日本でお馴染みの「中華」)、北京の粉もの、の5章構成。特に野菜料理は、ウー・ウェンさんらしい、ごく少ない材料と調味料で作れるものばかりで、日常的に使い勝手のいい1冊だと思います。
ところで、ウー・ウェンさんの麻婆豆腐のレシピは、90年代後半から徐々に変化しているのですが、この本に載っているのは、一味唐辛子と花椒をたくさん使うタイプのもの。一般的なレシピの麻婆とはちょっと違った味わいで、面白い(おいしい、そして辛い)ですよ。

 

ウー・ウェンの 北京小麦粉料理
北京小麦粉料理
高橋書店 2001年(1,600円+税)
ウー・ウェン
◎ ボーユイ、チェンメンマントウ、シァンピン、ガーダ湯
Amazon 高橋書店

コトリ1号メモ : 先に紹介した『北京の小麦粉料理』(グラフ社)と似た内容ですが、「粉もの」に特化した点で、中華の粉もの好きにとってはバイブルとも言える本だと思います。手順写真はサムネイルで大量に並べ、手順は箇条書きではなく、文章で添える形に編集されており、大変わかりやすいです。餃子の包み方は、パラパラ漫画風に見せるアイディアも、遊び心があって好きです(なんのこっちゃと思った方は、実物を手に取ってページの右下を確認してみてください)。

 

大好きな炒めもの
大好きな炒めもの
高橋書店 2002年(1,380円+税)
ウー・ウェン
◎ 大根とちりめんじゃこの炒めもの、いかときのこの炒めもの、ブロッコリーのドウチ炒め
Amazon 高橋書店

コトリ1号メモ : 「炒めもの」ワンテーマで作られた本ですが、これが侮れない。「あー、なんか、最近作るおかずがイマイチなんだよなー」と思ったときに開くと、凄く参考になります。

 

ウー・ウェンの おうち飲茶
おうち飲茶
雄鶏社 2006年
ウー・ウェン
◎ 浮き粉の蒸し餃子
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コトリ1号メモ : 「飲茶」をテーマに編集された本(たしか、出版当時は「カフェ本」ブームだったと記憶しております)。すでに、著者の本を複数冊持っている人にはあまり目新しい部分はないのですが、デザートのレシピや、料理に合わせた中国茶の紹介が載っているのが嬉しいポイント。

 

ウー・ウェンさんの 北京の暮らしと季節の家常菜
北京の暮らしと季節の家常菜
集英社 2006年 / 2014年(電子版 1,280円+税)
ウー・ウェン
◎ 八宝飯
[紙の本]Amazon
[電子書籍]Kindleストア e!集英社

コトリ1号メモ : 「北京」をテーマにしたレシピ+エッセイ。北京の春夏秋冬に美味しい料理と、お母様に教わった身体に優しい料理を中心に紹介しています。紹介している料理は、著者の他の料理本に比べ、よりヘルシーなものが多い印象です。巻末は、北京の観光地やショップ、レストランなどを紹介するガイドブック的なページもあります。
本は絶版ですが、電子版が発売中です。スタイリングがシックで落ち着いた雰囲気で素敵なので、タブレットで読むのがお勧めです。

 

ウー・ウェンの 黒酢でおかず
黒酢でおかず
高橋書店 2008年
ウー・ウェン
◎ うなぎ炒飯、豆腐と干しえびのスープ、手羽中と長ねぎの黒酢煮、黒酢はちみつソース、じゃが芋のせん切り炒め、牛すね肉の黒酢煮、蒸し魚の黒酢ねぎ風味だれ、なすの黒酢みそ炒め
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コトリ1号メモ : 『ばーさんがじーさんに作る食卓(4)2008』で最も登場回数が多かったのがこの本です。cincoさんは、減塩による物足りなさを酸味で補うお料理を作られることが多いのですが(酸味には、少量の塩分を引き立てる、加熱することでうまみが増すなどの効果があります)、この本はまさにそのニーズにぴったり…だったからでしょうか。もちろん、紹介されているレシピが美味しいからというのは言うまでもありません。
ちなみに、一番登場頻度が高かったのは「牛すね肉の黒酢煮」でした。コトコト煮込みができる時期になったら、皆様も、ぜひ(おいしいよ)。

→ 第3回に続く

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『ばーさんがじーさんに作る食卓(4)2008』に登場した料理本を紹介するシリーズ

第1回
味澤ペンシー(1)、阿部なを / 河合真理(1)、有元葉子(6)[全8冊]
●第2回
入江麻木(1)、ウー・ウェン(7)[全8冊]
第3回
上野万梨子(5)、上野万梨子 / SAZABY(1)、おおつきちひろ(1)、大原照子(1)[全8冊]
第4回
小川聖子(1)、落合務(1)、片岡護(1)、川上文代(1)、北村光世(2)、熊谷喜八 / 河田吉功(1)[全7冊]
第5回
佐藤雅子(1)、島津睦子(1)、周富徳(1)、白鳥恒夫 / 小田倉秀昭 / 田代和久(1)、鈴木珠美(1)、孫幼亭(※「亭」は、正しくは「女」偏に「亭」)(2)[全7冊]
第6回
高山なおみ(5)、竹下ワサナ / 大江ふみ(1)、ダニエラ・オージック / 横山淳一(3)、谷昇(1)[全10冊]
第7回
長尾智子(2)、濱崎龍一(1)、パンツェッタ貴久子(2)、久田大吉(1)、藤沼由美子 / ロレンツァ・ジッリ(1)、藤沼由美子(2)[全9冊]
第8回
前田廸子(1)、丸山久美(3)、山田宏巳(1)、吉田勝彦(1)、李映林 / ウー・ウェン(1)、レヌ・アロラ(1)[全8冊]
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