著者: 渡辺 隆広
価格: ¥1100(税込)(Amazon Kindleストア)
形態: 電子書籍
頁数: 約100ページ(端末や設定により異なります)
発売: 2021年3月1日
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本の内容(「はじめに」より)
SEOという言葉が米国で定着したのは2000年頃です。それから約20年、サイト運営者が注目する検索・SEO関連のトピックは毎年よく変わってきましたが、近年はもっぱらGoogleコアアップデートが注目を集め続けています。
コアアップデート、すなわちコアアルゴリズムアップデートの名が示すとおり、検索技術の根幹にかかわる更新です。それゆえにWebページの品質や評判といった、ユーザーにとって関連性が高いページとは何かという本質的かつ正解がない問題と向き合わなければならず、したがって明快な対策方法もない、サイト運営者の頭を悩ますトピックとも言えます。
本書は、インターネット検索技術が目指す基本理念や思想を考えながらGoogleが目指す方向性を捉えて、このコアアップデートへの対処方法の指針を、検索体験とコンテンツ品質の面を中心に解説します。
コアアップデートは1年に数回実施されます。2020年は1月、5月、12月の3回実施されました。対象となったのは主にYMYL(金銭、健康、幸福など私たちの財産や生活に深刻な影響を与える恐れがある情報群)に属するサイトですが、それ以外の領域でも自然検索順位に大きく影響します。しかし、改めてとるべき特別な対策はなく、地道にサイト全体をより優れたものにしていく他ありません。
アイレップが主催するセミナーで、コアアップデートについて受講者からのアンケートを見ると「結局、具体的に何をすればいいのかわからない」という回答をよく見ます。それは当然で、あらゆるジャンルのサイトに適用可能な、具体的な対策方法など存在しないのですから、さまざまな方が参加するセミナーで個々のサイトのための対処法を紹介することは難しいのです。
2010年頃までのGoogleのアルゴリズム変更であれば、たいていの場合「Googleがこういうリンクの張り方をスパムに指定した」「こういうテクニックをスパムと判断するようになった」など、アルゴリズムに加えた具体的な調整内容や基準をそれなりに特定することができたので、具体的な対策方法も指し示すことができました。
2020年現在のGoogleのアルゴリズム変更は上記とは異なり、全体的にページをより適正に評価するための改善です。サイト全体を見渡して、課題を1つ1つ潰していくしかありません。おそらくサイト運営者のみなさんの悩みは、その課題をどのように見つけるのかがわからなかったり、自分がいま実施していることが本当に正しいのか判断ができないことでしょう。そういう人たちのために、本書の後半ではコンテンツ品質のチェック項目を紹介しています。
それらはあくまで目をつけるポイントであって、そこを直したら必ず順位が上がるかというと、それはやってみないとわかりません。しかしやみくもに手をつけるより参考になるはずです。
なお、私がもし事業会社の人間、たとえばSEOやオーガニックグロースの責任者であれば、個々のコアアップデートの原因は調べません。検索アルゴリズムやその影響による検索順位変動についての長い業務経験と知見から、このコアアップデートについて原因を調べることは割に合わないと考えるからです。そのかわり、Webサイトの運営指針や、発信する情報のレギュレーションを整えるとともに社内教育・啓蒙を行い、GoogleやSEOのためではなく、メディア価値を高めるために何をするべきかを徹底させることを大事にするでしょう。
コアアップデートへの究極の対策は、つまるところ、ユーザーに役立つ、このページに訪問して良かったと思ってもらえる質の高い独自コンテンツを作り、発信し続けることです。本書ではそのような観点から、コアアップデートに向き合うための考え方を解説します。
目次
第1章 Googleのアルゴリズムはどのように進化してきたか
1.1 Google検索アルゴリズムは2012年頃を境に大きく変わった
1.2 なぜ検索エンジンは行動データを評価するようになったのか
1.3 検索行動データから、「ある話題で、いつも頼りにされているサイト」を発見する
1.4 「よいサイト」のための正解は自分で考える
1.5 ランキングに直接影響する指標はない
第2章 Googleコアアップデートの基本知識
2.1 Googleコアアップデートとは何か?
2.2 アルゴリズムのアップデートは年間1,000件以上
2.3 コアアップデートの歴史
2.4 コアアップデート以外にも関心を持とう
第3章 コアアップデートで理解しておきたい5つのポイント
3.1 アップデートの反映完了まで約1、2週間はかかる
3.2 コアアップデートはペナルティではない
3.3 コアアップデートによる順位変動の原因は特定困難
3.4 コアアップデート直前のWebサイト変更施策は影響しない
3.5 コアアップデート後の改善施策が反映されるのは次回のコアアップデート
第4章 Google公式の検索品質評価ガイドラインを理解する
4.1 Google公式の「SQRG」からページ品質を学ぶ
4.2 ページ品質と有益な目的
4.3 E-A-Tとは
4.4 YMYLとは
第5章 Google検索の理念と思想、価値判断基準
5.1 Googleの価値判断基準:Non-YMYLの場合
5.2 Googleの価値判断基準:YMYLの場合
5.3 Googleの検索アルゴリズムもまだ発展途上
第6章 コアアップデート 基本の対処方法
6.1 原因追究の切り口
6.2 マイクロソフト クラリティでUXを改善する
6.3 良質なサイトとは(Google公式ブログ)
6.4 ページの「有益な目的」を明確に定義する
6.5 専門家に依頼する
6.6 執筆者の専門性・信頼性を示す情報を載せる
6.7 過剰な広告を排除する
6.8 目的の情報を探しやすい画面デザイン
6.9 テキストである必要はない
6.10 友人・知人に紹介したいと思えるか
6.11 ページ内容はユーザーの興味関心の変化に合わせてアップデートする
6.12 Webプレゼンスを高める
6.13 コンテンツを正確なものにする(YMYLの場合)
6.14 説明文と宣伝文を混在させない
6.15 低品質なコンテンツの扱い
著者略歴
渡辺 隆広(わたなべ・たかひろ)
株式会社アイレップ SEM(サーチエンジンマーケティング)総合研究所所長。
1997年、大学在学時に日本で初めてのSEOサービスを提供開始。イープロモート(のちに法人化)を立ち上げる。2003年4月退社。その後、検索エンジンマーケティング関連会社を経て、2005年4月より株式会社アイレップに入社、SEM総合研究所 所長に就任。
著者関連サイト
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正誤表
現時点で修正なし