コトリ１号ブログ

「木鷽」ってご存知でしょうか。

名前の通り、鷽（うそ）という鳥をかたどった、木彫りの小さな人形です。

「鷽替え」「鷽替え神事」と言われる行事が行われる神社で、その行事が行われる日だけ配られる（販売される）縁起物のひとつです。
木鷽の存在を知ったのは数年前のことで、郷土玩具を特集している雑誌記事で見たような記憶があるのですが、もう、詳しい記憶は残っていません。
確か、太宰府天満宮の木鷽を見たと思うのですが、それすら定かでありません。

ただ、その人形の素朴な愛らしさだけが、強く印象に残ったのでした。

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鷽替え神事の由来は諸説あるようですが、よく言われているのは、

「菅原道真が神事を取り仕切る際にたくさんの蜂が襲ってきてあわや…というところに一群の鷽がやってきて蜂を食いつくし、無事に神事を執り行うことができました」

というエピソードです。

神社によっては、若干違うエピソードを由来としているところもあるようですが、そうであっても上記のエピソードをベースにしているものが多く、菅公と鷽というのは、関係の深い間柄なのだろう、と思います。

さらに、「鷽＝嘘」、「取り替える＝鳥替える」、という言葉遊びから（昔の人はこういうダジャレみたいな言葉遊び、好きですよね）、木彫りの鷽を取り替えることで、これまでの嘘（悪運）をチャラにする神事/行事として定着し、今に至るようです。

鷽替え神事を最初に行ったのは、天満宮の総本山である太宰府天満宮で、その起源は江戸時代にまでさかのぼるようです。1658～1660年ごろ（徳川4代将軍家綱の治世）にはすでに盛んに行われていたとの記録もあるそうなので、かなり古いご神事なのだなぁ、と。

太宰府天満宮では現在も、神事として行われていますが、こういう神社はそう多くないようで、鷽替えだけを行う神社のほうが大多数のようです。

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単純に、木鷽の可愛さにつられて興味を持ったのですが、最初はどこの神社でもやっている行事なのかと思ったら、大間違い。

ウィキペディアにもありましたが、鷽替えとは、菅原道真を祭神とする天満宮・天神社で主に行われる神事/行事なのだそうです。

ですので、木鷽を配る神社も、○○天満宮、○○天神とつく神社に、ほぼ限られます。
しかも、鷽替えというのは、さほどメジャーな神事ではないようで、天満宮系の神社だからと言って必ずしもすべての神社で行っているものでもないようなのです。
とくに、総本山から遠く離れた、東京近辺では鷽替えを行っている神社は、ごく限られているようです。

どうやら、東京近辺で鷽替えを行っているのは、

亀戸天神社（江東区亀戸）　1月24～25日
湯島天満宮（文京区湯島）　1月25日
五條天神社（台東区上野公園）　1月1～3日、1月25日
北野神社（新井天神）（中野区新井）　1月25日
町田天満宮（町田市）　通年
谷保天満宮（国立市）　11月3日
千葉神社（千葉天神）（千葉市中央区）　1月24日～2月3日

の、7神社のようです。
（もし、東京近辺で上記以外の神社でもあるとご存知の方は、教えていただけると嬉しいです）

鷽替えは、基本的には初天神といわれる1月25日にのみ行われる神社が多いですが、その辺は神社によってまちまちです。

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ここまでは、興味を持ってすぐの段階で分かったのですが、問題は鷽替えが、ごく限られた日だけに行われる行事だった、ということです。

個人的な話ですが、不思議と、例年1月24日、25日に限って用事が入る。仕事が終わらない。天気が悪い（これは言い訳ですが）。などなど。
決して、キャパを超える仕事を抱えているわけではないのに、どうしてこうなるのか（わたしの気合が足りないのです）。

そんなこんなで数年、ようやく今年は何とかなりそう。

回れるだけ回ってみようか、ということで、1月25日に鷽替えを行っている神社を、あちこち尋ねてみたのでした。
この日に回ったのは、五條神社→湯島天神→亀戸天神→新井天神、の順に4か所。

どれもこれも可愛い鷽でした。
すっごく、ツボです。コレクション魂に火が付きそうです…。

長くなっちゃったので、個々の木鷽は、次以降の記事にてご披露させてください。
（次の記事に続きます）

（過去記事）
初天神の日に木鷽を買いに行く（全5回）
プロローグ （この記事）
五條天神社
湯島天神
亀戸天神
新井天神