初天神の日に木鷽を買いに行く(その2) 五條天神社
前回の記事からの続きです。
最初は、初めての鷽替えだし、まずは亀戸天神の木鷽だけ頂ければいいやと思っていたのですが、初天神(1月25日)に鷽替えを行っている神社は、ありがたいことに下町に集中しています。
「うまく回れば、3か所は行けるカモ……」
そこで、配布数が少ない(らしい)五條天神社からスタートし、湯島天神、亀戸天神と回る予定を立てて、行ってみました。
自宅就労者の上、基本夜型なので、6時半に家を出るなんて超久しぶりです。ちゃんと起きられるか、通勤電車に乗れるか、ちょっと不安でした(なんとかできました)。
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五條天神社は、上野公園内にあります。(ほぼ)誰もいない上野公園内を歩くのは、なかなか清々しい体験でした。
お稲荷さんみたいな参道ね…と思ったら、五條天神社は花園稲荷神社と同じ敷地内にお祭りされており、花園稲荷の入り口から入ってしまったようでした(特に問題ありませんが)。
ホームページにある縁起には、
「第十二代景行天皇の御代、日本武尊が東夷征伐の為、上野忍が岡をお通りになられた時、薬祖神(上記の二柱)の大神に御加護を頂いた事を感謝なされて、この地に両神をおまつりなされました(約1890年前)。」
とあって、大変に歴史のある神社のようです。
ちなみに、菅原道真公は寛永18(1641)年に合祀されたとのことで、下谷天満宮と言われた時期もあったそうです。
わたしはですね、てっきり8時から配布すると勝手に思い込んで7時半に上野駅に到着するように出かけたんですが、8時前に神社の社務所に行ってビックリ。
えええ、この寒いのに、1時間以上待たねばならんとは……。
絶望的な気分になりましたが、でもしょうがない。好天に恵まれたのは幸いでしたが、しかし、寒かった……。
ただ、すでに5~6人ほど、地元の人や、ベテラン鷽愛好家などが列をなしており、8時半にはそれなりに行列になっていました。9時には100人弱ほどの行列にはなっていたような感じです。来年行こうと思っている方は、参考にしてください。
8時55分ごろ、社殿から三方を持った神主さんたちがいらっしゃって、9時から木鷽の配布が始まりました。
1体1200円で、ひとり2体まで購入できます。
支払いを済ませると、巫女さんが紙袋に入れられた木鷽を積んだ三方をこちらに掲げ、「どうぞ、お選びください」と、差し出します。
なぜ、こんな渡し方をするのかというと、五條天神社の木鷽には、「金鷽」が混じっているからです。
金鷽と言っても、黄金の鷽というわけではなくて、頭部に金紙を張り付けている木鷽を、金鷽と言います。それ以外は、銀紙です。
金鷽の出現率は相当低いようですが、ちょっとした運試しとして、毎年楽しみにされている方もいるようです。
え、わたしですか?
残念ながら、銀紙でした。
くじ運悪いですからねぇ、わたし。金鷽に会える気は、全くしないです……。
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木鷽は、鷽のサイズに合わせた紙袋に入れられています。
裏には、由来が。
鷽(うそ)はアトリ科の美麗な小鳥です。
この小鳥をかたどった「神符(おまもり)」を年頭に受けて神棚にまつり、一年中に話した「虚言(うそごと)」をこの神符に託して、翌年神前に納め罪を滅ぼし、又、今迄の悪い出来事も「うそ」として祓い清め、吉に取替えると云う縁起のよい神事です。
昔から、新年に当って、開運出世の効ありと云われ、特に「金鷽(きんうそ)」を受け得た人は、将来家運が隆盛に赴く吉兆であると伝えられる。多くの天神様で行われている神事ではあるが、当社では正月の一日、二日、三日、及び初天神の二十五日に此の神事を行う。当社の金鷽は頭部に金紙をつけて表している。(他は銀紙をつけている)
五條天神社の木鷽は、長さ7センチ、直径2.5センチの木製の円柱をベースに、木鷽の部分を手彫りで仕上げています。
赤い部分は、パッと見はくちばしのように見えてしまいますが、鷽の特徴であるお腹の羽色を表しています。かなりデザイン化(単純化)されている印象です。
(目の部分は彫り込んであり、手が込んでるなーという印象です)
ともあれ、無事に、最初の木鷽を手に入れることができたのでした。
次は、湯島天神だー。
(次の記事に続きます)
● 五條天神社
110-0007 東京都台東区上野公園4-17
03-3821-4306
※ 鷽替えは、1月1~3日と、1月25日に行われます。
(過去記事)
初天神の日に木鷽を買いに行く(全5回)
プロローグ
五條天神社 (この記事)
湯島天神
亀戸天神
新井天神