梅園のうその餅(歌舞伎座バージョン)

このブログにはぼちぼち鷽替えの記事を載せていることからも分かるように、管理人(コトリ1号)は、鷽替え神事で頒布される木鷽が好きです。関東住まいゆえに、行ける先は東京近郊に限られていますが、しかし、鷽替え神事を行う神社はむしろ、大阪、九州に集中しており、例年時期になると、「いつかは…」と思いながら、いろんな方のInstagramやTwitterを見ています。

やはり、鷽替えで一番有名なのは大宰府天満宮だろうと思いますが、大宰府と言えばもうひとつ、鷽替え神事好きにはつとに知られている鷽があります。それが、太宰府天満宮の参道にあるお菓子屋さん、梅園の「うその餅」です。

正確には、求肥のお菓子なんですが、そのおまけに小さな「うそ」人形が入っていて、それがかわいいんですよねー。私は長らく、大宰府に行かないと買えないものとばかり思いこんでいたのですが、なんと、先日、歌舞伎座のお土産屋さん(歌舞伎座1階にある、お土産処木挽町)で発見したのです。

ということで、今回は、長年焦がれていたブツを手にした、喜びのリポートです。

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歌舞伎座のお土産屋さんでは、その月の演目にちなんだ地域の銘菓やお酒などを期間限定で販売していて、毎月何を売っているのかなーと楽しみに覗くのですが(コトリ1号は毎月1回歌舞伎を観るのを、ささやかな楽しみにしております)、この月は「菅原伝授手習鑑」の、加茂堤、筆法伝授、道明寺の3幕が上演されることにちなんで、梅園のお菓子が販売されていたのでした。

他に、「菅原…」にちなんだお菓子として、「飛梅」という梅を模した和三盆の干菓子や、梅と天神様の焼き印が推された「大宰府せんべい」が販売されていました。「菅原…」以外の演目にちなんだお菓子も販売されており、特に「八陣守護城」にちなんで販売されていた「ふなずしパイ」(滋賀県守山市にあるモンレーブという洋菓子屋さんのお菓子)は、なかなかアバンギャルドなお品でした(琵琶湖名物鮒ずしを練り込んだ塩味のパイだそうです)。他にも、そろそろ時期的に購入困難になりつつある長命寺の桜餅(期間限定で取り扱い)があったりなど、侮れないです、お土産処木挽町。

それにしても、大宰府まで行かないと買えないと思い込んでいたお菓子が、まさか歌舞伎座で買えるとは…。これは、仁左衛門さま、もとい、菅丞相さまのお導きに違いないな…と、内心狂喜乱舞しながら購入したのでした。

 

いつも覗く売店で、これを見つけたときの驚きと言ったら!

なにが「歌舞伎座限定」なんだろう…と思いつつ購入

包装紙を外したところ。箱もかわいい

ふたを開けると、お菓子の由来を記した紙と、「うその餅」にちなんだ川柳の短冊が1つ。この川柳は全20種類あり、何が入っているかはお楽しみ(他の川柳も、ホームページで見られます)。なお、由来を記した紙にある鷽の歌(世の中のうそとうそとのかへかへにかへてあたえん我は誠を)と絵は、仙厓だそうです

紙を取り去ると、明るいエメラルドグリーンがまぶしいお菓子が姿を見せます(写真の撮り方が悪くて微妙に色が濁っていますが、本物はもっと鮮やかできれいな色です)。その正体は、しそ風味のそぼろに包まれた求肥で、上から2つ、左から2つ目のマスには、お待ちかねの「うそ」が餅の代わりに埋まっています。雑誌などで紹介されている写真では、「うそ」が直接そぼろの中に埋まっているものが多くて、実際の商品もダイレクトに入っているのかと思っていたのですが、ちゃんと、薄手の和紙で包まれていました

こんな感じで、若草色のそぼろに埋まっていました

取り出して、お菓子と一緒に。かわいくて、頬が緩みます。お菓子は、しそ風味というのが斬新な感じがしますが、和風ミント味というか、懐かしい感じの味で、そういえば、和菓子の「塩釜」に似ています。「塩釜」もゆかりが入っているので、しそ味というのはある意味納得。しっかり甘くて、お茶とよく合うお菓子です

大きさをイメージしやすくするために、チロルチョコと並べてみました(逆に分かりにくいか…)

今度はアップです。どの辺が「歌舞伎座限定」なのかというと、目の下に、赤い隈取があるのが限定の証なのだそうです。そういえば、確かに、ホームページで紹介しているものと、目の周りが違う。ちなみにこの「うそ」は、素焼きの土人形に彩色したもので、博多人形師がひとつひとつ手作業で作っているそうです

小さいけれど、横も、後ろも、しっかり描かれています。かわいいわー

 

この記事の冒頭、「『うその餅』は大宰府まで行かないと買えないと思い込んでいた」と書きましたが、実は、それは単なる思い込みでして、梅園のホームページを見ると、いわゆる催事で他地域でも販売することがあるようです。初めて買った「うそ」が限定品でしたので、今度はぜひとも、ノーマル「うそ」を手に入れるべく、こまめにチェックしたいと思います。

ただ、「うその餅」に入っている「うそ」は、今回手に入れた「土うそバージョン」のほかに、「木うそバージョン」があるのですが、こちらは本当に大宰府のお店だけで、1月から数量限定で、なくなるまでしか販売しないそうです(2020年は1月19日で終了したそうです)。やはり、いつかは、1月に大宰府に行きたいものです。

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梅園 菓子処
住所:818-0117 福岡県太宰府市宰府2-6-16(アクセス
電話:092-922-4058
営業時間:9:00~17:30
店休日:毎月第1月曜日(祝日の場合は翌平日)/1月8日、8月17日以降の平日3日間

お土産処木挽町(歌舞伎座1階売店)
※歌舞伎座内にあるお土産処木挽町は、芝居上演中の特定の時間に限って、チケットを持たない一般客も入店してお買い物できます。入店可能時間は月ごとに変わるので、下記ページか、電話(03-3545-6557)で確認してください
「お土産処 木挽町」「喫茶室 檜」のご利用時間

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