白栄堂の銘菓 観音寺

昔は日替わりで色々なものを口にするのが楽しかったけど、今はお気に入りを何度も口にするのが好き。何度食べてもおいしくて、全く飽きなくて、しばらく経ったらまた食べたいなーと思うものを、淡々と記録しておこうと思った。

 

観音寺まんじゅうは、数年前の高松旅行の際に、少し足を伸ばしてMIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に行く途中の、JR丸亀駅の中の売店(セブン-イレブン キヨスクおみやげどころ丸亀店)で買ったのが最初の出会い。旅行前に読んでいた『d design travel KAGAWA』の中で「おいしいけど、賞味期限が短くて、観音寺市内でしか売ってない(大意)」と紹介されていたのを覚えていて、それなのに丸亀で見つけちゃったので、「ふーん」って気分で買ってみたのでした。そして、その時の旅では、あの丸亀駅の売店以外で見かけることはなかったのです。

ホテルに帰って何の気なしに開けて食べて、あんまりおいしくてびっくりして改めて検索したら、本当に観音寺市周辺でしか買えないらしく、丸亀駅の売店は数少ない販売箇所なのだそう。だから、あのとき丸亀で手に取らなかったら、食べるきっかけはまるきりなくて、今もまだそのおいしさを知らないままだったろう。あのとき出会っていて本当に良かったと、心の底からつくづく思う。

冒頭で「観音寺まんじゅう」と書いたけど、白栄堂のホームページには「銘菓 観音寺」とあって、包み紙も堂々「観音寺」とあるので、正式名称は「観音寺」なのかな。読み方は「かんのんじ」じゃなくて、「かんおんじ」。地元の人は「観まん(かんまん)」と呼ぶそうです。愛称があるって、愛されてるなぁと思う。パッケージデザインは、香川が誇るマルチクリエイター・和田邦坊。

 

観音寺まんじゅうは、特製の黄身餡をカステラ生地でサンドしたもので、「まんじゅう」と名乗りつつも、その実態は、ほぼケーキだなと思う。昭和35(1960)年に発売されたお菓子だけど、レトロな味わいでは決してなく、とても現代的なおいしさに満ちている。

黄身餡はことさらに和菓子的な白餡に寄せずにしっとりクリーミー、黄身餡を引き立てる甘さ控えめのカステラ生地、サンドしたときの両方のバランス、サイズ感、全てが絶妙。1個できちんと満足感がありつつ、食べ飽きない味わいなのが素晴らしい。煎茶にも、紅茶にも、珈琲にも、何でも合うのもよい。

5個入りの真空パックで売られているので、封を開けなければ5日くらいは持つと思うけど、基本的にはあまり日持ちしないので、お使い物に向いているとは言い難い。だからこれは、私にとっては、自分のために買って、自分と家族だけで楽しむためのお菓子。そういう密やかさも、このお菓子を好ましく思う理由かもしれない。

 

東京だと、新橋駅近くの「香川・愛媛せとうち旬彩館」のほか(不定期)、グランデュオ立川の「銘菓銘品日本の味」(隔週木曜)コーナーで購入できます。東京で他に定期的に販売しているところがあったら、ぜひ教えてください。

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